コンビニエンスストアによる地域商業集積への影響度に関する調査


調査概要

目的

平成9年商業統計「業態別統計編(小売業)」(平成11年2月2日・通商産業大臣官房長調査統計部)によると、商店街を主に構成する専門店及び中心点は商店数で引き続き減少し、業態別の年間販売額についても、専門店及び中心店は減少している。これに対して、コンビニエンスストアは、商店数、年間販売額、従業員数及び売り場面積に関して大幅に増加しており、対照的な存在となっている。 そこで、業態全体としては活気あるコンビニエンスストアがいかなる影響力を商店街に与え、今後与え得るかを調査することにより、商店街の活性化を図るため基礎資料とすることを目的として本調査を実施した。

調査内容

  1. 商店街の実体及び地域商業数隻への影響度調査
    調査対象:愛知県商店街振興組合連合会加盟の商店街283団体
    調査方法:郵送によるアンケート調査
    回収率;72.8%(206件)
  2. コンビニエンスストア経営実態及び地域商業集積への影響度調査
    調査対象;愛知県内に本部あるいは地域本部を有するコンビニエンスストア707店舗 「1998年版日本の総合小型店チェーン」より無作為抽出した。
    調査方法:郵送によるアンケート調査
    回収率:41.7%(295件)
  3. コンビニエンスストア本部又は地区本部の経営方針及び地域商業集積への影響度調査
    調査対象:愛知県内に本部あるいは地域本部を有する10社
    調査方法:郵送によるアンケート調査又はヒアリング
    回収率:99%(9件)
  4. ヒアリング調査
    調査対象:商店街振興組合(2店舗)

調査時期

アンケート調査:平成10年11月
ヒアリング調査:平成11年2月

要約

  • 商店街の空き店問題はは平成7年の商店街実態調査にくらべさらに深刻化し、商店街が行った空き店舗対策も限られている
  • 56%の商店街にコンビニエンスストアが出店しており出店時期は昭和60年から平成5年までが6割を占める
  • コンビニ出店による来街者数、顧客層、活気等商店街への影響については全体としてプラス効果がマイナス効果を上回った
  • コンビニエンスチェーン本部はかつての酒販店の業態転換等商店街への出店に積極的であったが、現在は商店街を「出店が難しい立地環境」と捉えている
  • コンビニの出店は、来街者・顧客層の拡大。空き店舗対策等商店街活性化の効果を期待でき、商店街はコンビニ出店を促す環境作りと協力体制の確立につとめ、顧客満足を満たす商店街へ脱皮することが求められている。

商店街の概要

商店街の組織化の時期

昭和50年代までに組織化された商店街が88.3%

主たる集客施設

主な集客施設を持たない商店街が最も多い

商店街の景況

「悪い」と回答した商店街が86.9%

空き店舗について

平成7年度調査に比較して、空き店舗問題が深刻化している 商店街としての空き店舗対策は、「何もしなかった」が最も多く過半数を占めている

地域商業集積に関する影響度

商店街へのコンビニエンスストアの出店状況

56%以上の商店街にコンビニエンスストアが出店しており、出店時期は昭和60年から 平成5年までに6割以上占められる。

コンビニエンスストアの出店当時の商店街の意見

「特に意見なし」が最も多いが、出店「賛成派」が反対派を大きく上回った。 賛成した理由は、「商店街の活性化」を意図した理由が多く、反対する理由としては、「既存の店舗との競合」を上げた商店街が4分の3を占めている。

コンビニエンスストア出店後の商店街の変化

「来客者数」「「顧客層」及び活気について。「特に変わらない」が最も多かったが。3項目ともプラス効果とマイナス効果を比較するとプラス効果が大きく上回った結果となった。

コンビニエンスストアの出店形態

「既存商店街構成店がコンビニエンスストアに転換」するケースと「商店街の外部からFC店あるいは直営店が出店」する割合がほぼ同じ。

今後のコンビニエンスストアの商店街へ出店に対する意見

90%以上の商店街が否定的に考えている。 賛成する理由は「商店街の活性化が図れる」ことが一番の理由となった。 受け入れるための調整項目についても、組合活動に参加する事を第一に考えている商店街が最も多い結果となった。 反対している理由については、突出した問題があるわけでなく、個々の問題点から反対しているケースが多い。

コンビニエンスストアが商店街に立地しているメリットデメリット

コンビニエンスストアはメリットデメリットともに感じていない店舗が半数近く占めている。

チェーン本部の商店街に対する考え方

コンビニエンスストアを出店する際の立地環境としての商店街の位置付け

立地環境としての「商店街」を重視して、コンビニエンスストアの出店を検討しているチェーンは少数で、大半は「出展が難しい立地環境」と考えている。

チェーン本部が新規店舗出店のために検討する項目

一つの条件により可否が決まるのではなく、複数の条件を総合的に検討する。

コンビニエンスストアの現状について

営業時間

「24時間営業」が約64%を占めしている。

売上状況

年間売上高では、「1億円〜2億5千万円未満」の範囲で7割弱を占めており、売上状況(対前年比)「減少している店舗」が「増加している店舗」を上回っている。

売上減少

理由で最も多い理由は、「統合するコンビニエンスストアの増加」となっている。 全体の7割の店舗が他のコンビニエンスストアとの競合にさらされている。

経営上の問題点

「売上高の伸び悩み」だけでなく、労働環境についいぇの問題点も指摘されている。

チェーンの加盟

「満足」している店舗のの割合より「不満」を持っている店舗の割合が多い結果となった。 チェーン加盟に満足している理由としては、フランチャイズシステムを評価する理由が多い。

まとめ

コンビニエンスストアの商店街への出店は、商店街にプラスの効果を与え、商店街の活性化と空き店舗問題の解決策の一手法として期待される。コンビニ出店を現実化するには、チェーン本部が出店を希望するような「土地環境」を作り上げる必要がある。そのためには商店街全体及び構成個店による環境作りと協力体制の確立に努め、商店街とコンビニが相互にメリットを享受できる関係をl構築し、顧客の満足度を満たす商店街への脱皮が求められる。


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